サーバント(使用人)のいる生活
インドでは中流家庭以上でも経済状況が許す限り、できるだけ多くの使用人を雇おうとする。ドライバー、門番、料理人、ベビーシッター、庭師、掃除担当等、多岐にわたる使用人が存在し、経済的に余裕があるにも関わらず人を雇わないのは、彼らの雇用機会を奪ってしまうことになるのだ。
日本人も駐在員の多くはドライバーと掃除担当、子供がいる家では家事や子守もしてくれるメイドを付けているようだ。
ただ、人を雇うというのは思った以上に難しい問題でもある。とくに日本人にとってはメイドさんなんて慣れていないから、扱いに悩む人も多いと聞く。
我が家では、月~土で掃除の人が来てくれている。
床からキッチン、ベッドメイクにトイレ掃除までやってくれるありがたい存在。
うちの場合、数週間単位で担当が変わるのだが、担当者によって掃除の出来がかなり左右される、まさにインドクオリティ。
どうやら得意分野があるようで、
あるサーバントは背が高いから窓ふきが得意、でも床は埃が残っている。
とか、
ある小柄なサーバントは床の掃き掃除は丁寧だけど水回りがいまいち。
等、結構個性を主張してくる。
なので順番にそれぞれの持ち味を出してもらい、1年単位で全体的にきれいに保たれていればOKと思うようにしている。
まぁトイレ掃除をしたその直後に食器を洗っている様子を見かけてからは、さすがに食器は自分で洗うようになったが…
また、毎日赤の他人が家に入ってくるというのは落ち着かないものでもある。
チャイムを押して出なければ、合鍵で勝手に入ってくるシステム。
何となく来る時間は決まっているものの、早めにシャワーやトイレを済ませておかないと気まずいし、半裸で歩き回っているときなどは要注意だ。(当たり前か)
そして安全上の問題。残念ながら、盗難も発生していると聞く。
我が家では犯罪を起こさせないよう貴重品はできるだけ持ち歩き、なくなったらすぐわかるように常に整理整頓を心掛けている。(主人の指示)
でもそれが結構難しい。サーバントが来るために、掃除をしているというパラドックスが生じるのだ…
でもそんなサーバント、いてくれるとやっぱり便利だし時に和まされる。
私が日本から持ってきたこけしやら、仏像のフィギュア。インド人からみたらこの得体の知れない置物、一体何なのだろうと思っていると思うのだが、そーっと大事に動かして、掃除してくれている姿になんだかキュンとする。
そもそもこの仏像はインドから日本に伝わってきたんですよ、と思うとまた感慨もひとしおである。
最も恩恵に与ったのは、ハトが窓に激突してバルコニーで死んでいたとき。
私は怖くてどうにもできないのだがさすがはサーバント、慣れている。
Madam Your Pet clean!!
マダム、ペット片づけました!
Oh Thank you!!
あ、ありがと、ペットじゃないけどね…
サーバントがいて良かった。お互い片言の英語だけど、心が通じ合うと嬉しい。