ケララ・バックウォーターツアーでGod's Own Countryの真髄を見た! 前編
今年8月、100年に1度の大雨により、深刻な被害を受けたケララ。
その後どうなったかずっと気になっていた。
現地の方に問い合わせると、かなり復興が進んでおり、観光の目玉であるバックウォーターツアーも例年通り営業しているという。
一度体験してみたかったハウスボート。行くなら今では?!という気がした。
現地の様子をこの目で見たかったし、観光することで少しでも支援になればという思いもあった。
バックウォーターツアーは、ケララの水郷地帯をハウスボートに乗って周遊するクルーズで、数時間の日帰りツアーからボートに宿泊するタイプまで、多くの会社がそれぞれツアーを打ち出しており、値段もピンキリ。
私は紆余曲折を経て、ケララのホテルグループcgh earthが運営するspice coast cruiseにした。
船着き場に停泊するハウスボート。
本来は13時発の予定だったが、早く行くと12時には出発してくれた。
船には船員2人とコック1人が同乗する。
3人とも凄く感じが良く、北インドではなかなかお目にかからない柔らかな笑顔を見せてくれた。
この時期は、暑すぎず、雨も少ないので観光のハイシーズンとなっている。
クルーズと言っても湖や水路を走るので、海と違って船は揺れず、すごく穏やか。船酔いの心配もない。
ヤシの木と田園地帯が広がるのどかな風景が続き、水と共に暮らす人々の生活を見ることができる。
多くが漁業と農業で生計を立てているそうだ。
1人黙々とボートを漕ぐおばあさんがクール!
地元の人が集まる商店。もちろん船で乗り付ける。
家畜のヤギたちまでもがボートで移動しているのがかわいい。
私達の船が通ると、多くの地元民が笑顔で手を振ってくれた。
皆明るく、何度も言うが北インドではレアな柔らかな笑顔が印象的だった。
しかし、この辺りも8月の豪雨では大打撃を受け、別の地区に避難を余儀なくされたという。被害の爪痕をそこかしこに垣間見た。ようやく、1か月程前からこちらに戻り、また生活が始まったそうだ。
現在、多くの家が建て替え中。洪水対策のため、新しく建てられた家は皆高床式住宅だった。
それから、ここは鳥たちの楽園でもある。
この時期に見られるPainted Stork(インドトキコウ)というコウノトリの仲間。
全長1m近くにもなる大きな鳥で、木の上にとまる様子は大迫力!!
そしてインドのビールでおなじみ、キングフィッシャー。
ブルーの羽が美しい。
ここでは5種類ものキングフィッシャーが見られるそうだ。
船員さんはとても目が良く、遠くにいる鳥も裸眼ですぐに見つけてくれる。
ここでしか見られない鳥も多く、バーダー(Birder)の聖地と言っても過言ではない。
私達も双眼鏡を借りて、束の間のバーダー気分を味わった。
あっという間に時は過ぎ、夕暮れを迎える。
明日は、美しすぎるケララの絶景をお伝えしたい。
インドで暮らしているとハンチョウに共感が止まらない件
人気マンガ「賭博破戒録カイジ」のスピンオフ作品である
1日外出録ハンチョウをご存知の方は多いと思う。
↑ヤングマガジン公式サイトより拝借
ハンチョウこと大槻が、地下労働施設から「1日外出券」を使って地上に繰り出し、24時間を思いっきり楽しむという話なのだが、インドにいると本当に共感が止まらない。
もちろんインドでの生活は楽しい。しかし、異国の地で何かと不便な生活であることは否めない。
水や空気の違い、日本のように自由に出歩いたりできず、何事もスムーズに行かない環境に、知らず知らずのうちに疲労もたまる。
特に食事という点において、日本から持ってきた貴重な日本食材を日々節約しながら使ったり、生ものは諦めるなど、ある程度忍耐を強いられていることになる。
そんな生活から、どうしても彼らと自分たちを重ね合わせてしまうのだ。
大槻の過ごし方はとても参考になる。
私達は日本に帰ると初日から寿司だ、焼肉だと全力で飛ばしていこうとする。
しかし、大槻は決して急がない。
焦らぬこと。
心の余裕を取り戻すことが肝要。
と言っている。
実際、私たち夫婦もデリーから真夜中に出発する便でちゃんとした睡眠もとらずに、初日から飛ばしすぎたせいで胃腸の調子を崩し、思うように一時帰国を満喫できなかったことがある。
まずは、焦らず、少しずつ日本の食べ物に身体を慣れさせていき、万全の態勢で2日目からの豪遊に備えることが大切なのだ。
先日イタリアからインドに戻った際も、沼川の気持ちが痛いほどよくわかった。
1日外出録ハンチョウ©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社
そこで、大槻の言葉が心に染みる。
1日外出録ハンチョウ©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社
インドでの生活があるから、他の国に行ったときにより感動を味わえる。
日常生活とのギャップ。これこそが最高のスパイスとなるのだ。
高級店でもないごく普通のお店で、必要以上に美味しそうに食べている人を見かけたら、どうか優しく見守ってあげて欲しい。
それは地下労働施設で働く人か、インドで働く人かもしれないのだ。
ざわ…ざわ…
ちなみにこのマンガ、インドに来てからたまたま知って読み始めた。
「賭博破戒録カイジ」の背景を知らなくても十分に楽しめると思うので、読んだことのない人は、こちらの無料試し読みをどうぞ!
ヤングマガジン公式サイト
大気汚染セミナーを受講して、我が家のマスクストックを見直してみた件
先日、在インド日本国大使館が主催する大気汚染セミナーに参加してきた。
場所はグルガオンのホテル、ダイヤパークプレミア。
デリーの大気汚染と言えば、もはや街全体がガス室と呼ばれるほどで、常に靄がかかった状態。
暮らしていると見慣れてしまうのだが、イタリアからインドに戻った際、機内から見えるどんよりと霞んだ空気の層に、ここに降りていくのか…と愕然としたものだ。
実際iPhoneの天気予報では、なぜかインドだけ「晴れ」とか「雨」ではなく、空気の汚染度が出てくる…
Unhealthy Air Quality 健康に悪い空気って… あえて言わないでほしい…
そんなこともあり、一応日本から持参した使い捨てマスクを申し訳程度に着けて、意識高い系を装いつつ、そのセミナーに参加したのだが、
先生曰く、そもそもマスクは自分の顔に合ったものを正しくつけなければ全く意味がないそうで、隙間からいくらでも粉塵が入ってしまう、ということだった。
本当は機械で正確な数値を測定したうえで自分に合っているかを確認するのが望ましいようだが、なかなかそんなことはできないので、せめてこれでチェックすると良いという方法を教えていただいた。
それは、マスクを着用し、隙間ができないように顔にしっかりと密着させ、それで息を吸ったり吐いたりするという方法。
自分に合っていればマスクがパコっとなって隙間がないかどうかわかるというのだ。
その日つけていたマスクは全然ダメだった。
帰ってから我が家のマスクストックを全て出してみたが、ほぼアウトだろうな…
サイズが合い、かつN95やDS2クラスのマスクを使用することが良いとされているが、N95のこのハードさ、普段着けるにはちょっと恥ずかしい…
まずは、会場でいただいたこれらのマスクをしっかりつけたいと思う。
最近ではインド人たちも高い関心を寄せており、対策を求める声が大きくなっている。
国家レベルでの対策には国民が声を上げることが何より大切だ。
セミナー終了後、講演頂いた大西先生とお話させてもらったが、今最も大気汚染物質の除去に関する研究が進んでいるのは実は中国で、今や日本も中国から教えを乞うたりしているそうだ。
数年前まで悪名高かったあの北京でも青空が見えてきているというし、今後はインドが中国から知識を吸収し、更に発展させ、早く青空が戻ってくることを強く願っている。
【インドから行く】イタリア・ローマの街歩き 気づけば毎日20km近く歩いていた件
今回はとにかく歩いた。
インドにいると1日100歩も歩かないということがざらにある私でも、ローマでは1歩外に繰り出せば、3日連続23,000歩越え。1日あたり20㎞近く歩いたことになる。
参勤交代中の武士ですか?というくらい、自分でも信じられないほど歩いていたのだ。
普段では絶対に無理なこの距離をなぜ歩けたのか。
それはやっぱりローマという街の凄さだ。理由を3つほどあげてみたい。
1.広すぎる美術館に豊富すぎる収蔵品
バチカン美術館から、ボルゲーゼ、カピトリーノと、どこに行っても巨大で見どころ満載だった。
しっかり見ようと思うとかなりの時間がかかる。
また表示がわかりづらく、行きたいと思ったところになかなかたどり着けずに何往復かする羽目になった。ただし、同じ展示室でも通るたびに違った発見があるのが凄いところだ。
2.絶妙なサイズ感
コンパクトな街のあちこちに点在する教会・遺跡の数々。
微妙に少し足を延ばせば行ける距離にすべてが収まっているから、ついでにここも、あそこも、どんどん行きたくなる。
ちょっと歩けば、ミケランジェロにベルニーニにカラバッジョ。(しかも無料)
ボルジア邸でチェーザレ様に思いを馳せたかと思えば、今度は古代ローマ遺跡の数々。
なんという贅沢!!
3.これも神のお導き?偶然の出会い
ある程度事前にプランを立てていても、その途中で見つけたお店や教会等、予定外の出会いがたくさんあってなかなか先に進めない。
トラステヴェレ地区でたまたま入ったローマ最古と言われる教会。 日曜日ということで、荘厳なミサに立ち会うことができた。
路地ではお祈りする神父様の姿も。落書きや車とのギャップが何とも現代らしい。
イケメンたちが働くパン屋(左)に、インドの名店Fabindiaも!なんとなく品揃えがインドよりオシャレなのが悔しい!
空は青いし、空気もキレイ。生えている木ですらカッコいい。
高いところからの景色も素晴らしいし、夜景も、街の人々も、すべてが絵になるのだからたまらない。ほんとマンマミーア!
ただ、自動販売機でヌテッラバーを買おうとしたら、なぜかその隣のM&M'Sが出てきた時はイタリアもなかなかやってくれるなと思った。
イタリア人は良くも悪くもいい加減だなーと感じることがあり、勝手ながらイタリアはヨーロッパのインドと呼ばせていただこうと思う(笑)
しつこくローマの話を続けてきたが、キリがないのでこの話はこれで最終回。
トレビの泉にコインも投げたし、きっとまた戻って来れると信じて。
【インドから行く】イタリア ローマでサッカー観戦
世界最高峰のプレーヤーが集まるセリエA。
あまりサッカーに詳しくない私でも、せっかくだし一度で良いからヨーロッパサッカーの空気感を味わってみたい!と思い今回行くことに。
チケットはオンラインでも買えるが、少し不安なのでローマに着いた翌日すぐに、コロン広場にあるローマストアに直接買いに行った。
ASローマといえば、熱狂的なサポーター通称ロマニスタで知られる。
我たち夫婦は、素人かつ小心者なので、極力応援が激しそうなゴール裏や、相手チームのサポーターに近い席、金額の高い席(メインスタンド側)を避け、バックスタンド前方の、逃げやすい(?)通路席を指定することにした。
そして、3日後の試合当日。
その日は15時キックオフだが、朝から街中ではASローマのTシャツを来た人をちらほら見かけた。
ランチで入ったモンテカルロというレストランでも、見るからにサポーターと思われる人々が多く、サッカー談議に花を咲かせているようであった。
私が宿泊していたホテルのオーナー夫人も、試合がある日は主人は働かないのよと苦笑していた。
市内からバスで約30分。1960年のローマオリンピックのメイン会場として建てられたというスタジオオリンピコに到着。
警備が厳重で、パスポートの確認や2度に渡る手荷物検査があった。ペットボトルは持ち込み不可。
売店で飲み物を買い、座席を目指す。
座席は汚い(笑)
外の階段と同じような感覚なのか、皆ベンチの上を土足で歩き、タバコの灰も落ちている。キレイな服では行かない方が良いと思われる。
試合前から選手紹介やチームの応援歌で会場は大盛り上がり!
試合が始まると、選手のどんな動きにも一喜一憂の声が。サポーターが真剣に見ているのが伝わる。
この日はローマが大量得点。スタジオも大いに沸いた。
点が入ると、コール&レスポンスのような感じで選手の名前を叫ぶ。
大迫力の地鳴りのような声援を聞くと、本場ヨーロッパサッカーに来ていることを実感する。
しかし、想像していたよりは意外と素朴だなという印象。
客層も割と年齢高めで(私の席の周りだけ?)家族連れや、静かに見ている人も多かった。
今回は4対1で地元ローマが圧勝ということもあり、終始穏やかムードだったと思う。
これがローマダービーとか、国際試合だったらもっと激しかったのかもしれない。
それにしても、昨年引退したにも関わらずトッティ人気は健在で、現在も一番売れているユニフォームはトッティのものだとか。
最後に、チケット購入時、およびスタジオ観戦時もパスポートの提示が必須だったので注意。
また試合終了後も大混雑するが、少し歩いてバスターミナルになっているマンチーニ広場まで行けば席にも座れたし、安全に帰ることができるのでお勧めだ。
【インドから行く】イタリア ローマのグルメ編
以前の記事で、インドはイタリアンが美味しい!などと自慢気に断言してしまったことを私は今、究極に恥じている。
ディーワーリーというインドの年末年始にあたる連休でローマに行ってきた我が家。
本場イタリアのご飯のおいしさといったら!!
そこで冒頭に戻るのだが、あんなことを書いてごめんなさい、私が無知でした!と読んでくれた皆さま一人一人に謝りに行きたいくらいだ。
いや、一つ言い訳をさせてもらうのなら、私はイタリアは今回が初めてというわけではない。しかし前に行ったフィレンツェやベネチアに比べ、ローマは格段に美味しかった気がする。
とくに情報収集をせず、何となく人から聞いたり宿泊先の近くの店が充分よかったので参考までに載せておく。
まずはここ。
Pizzarium Bonci
バチカンの北側にある有名店。行列を覚悟して行ったが、平日の夕方5時台という時間帯が良かったのか、特に並ぶこともなくすんなりと入店できた。
店員のお兄さんも優しい。好みのピザとサイズを指定して好きな分だけ買うことができる。
こんなピザ、今まで食べたことがない!!サクサクの薄生地に鮮やかに盛られた具の数々。
右は人気のサイドメニューsuppli (ライスコロッケ)。
バチカン美術館から徒歩5分程度。座席はないのでカウンターでさくっと食べる。
L'orso
このレストランの名物にもなっているアンティパスト。前菜だけで左の写真のこの量!季節限定トリュフのパスタに悶絶。
飾らない、昔ながらの雰囲気で地元民気分が味わえる。
ナボーナ広場そば。
Osteria da Fortunata
今まで食べてきたものは何だったのかと思うほどのカプレーゼやプロシュート
もしからしたら観光客向け価格かも(?)しかし値段に負けないクオリティ。おばちゃんが店先でパスタを手打ちしているのも良い。
カンポデフィオーリのすぐそば。
Roscioli
有名食材店。持ち帰り用の生ハムはここで購入した。併設のレストランもおすすめ。
カンポデフィオーリそば。
その他紹介しきれないが、毎日食べたジェラート、 白ピザ、ユダヤ人街の名物アーティチョーク揚げに、おじいちゃんたちがやっているBarの朝食…と、なんて幸せな日々だったんだろう。
行く前は、ローマでお寿司食べようなんてのんきに考えていたが、他のものが美味しすぎてそんな暇はなかった。
ボーノ!!ほっぺたを指でくるくる刺すようなジェスチャー。
実際イタリア人がやっているのは見たことはないのだが、あれを本気でやったら大変だ。
私の指はドリルのごとくほっぺたを貫通して反対側のほっぺたに突き刺さるのではないかと思うほど、毎日毎日何を食べてもおいしかったのだ。
あぁイタリアの食の底力、恐るべし。
世界のどこに行っても、結局インド人を見ると安心してしまう件
楽しみにしていたディーワーリー休暇(インドの年末年始にあたる)がとうとう終わってしまった。
我が家もインド国外へと出かけていた。
帰りの飛行機に乗るため空港でゲートに向かうと
もうゲートナンバーなんか見なくても
それがデリー行きだと一目でわかる。
なぜならインドの人々は非常にわかりやすいから。
まず、彼らの多くは集団で行動している。
その中にはかなりの確率で
シィク教のターバンを巻いたおじさん
そしてサリーを着た恰幅の良い女性たち
が混ざっている。
そしてみな目を輝かせながら楽しそうにおしゃべりしている。
どこの国にいても、そのゲート前だけはリトルインドと化している。
旅の終わりはいつも寂しいが、私はその光景を見て
あぁ私にはインドが待っている。さぁ帰ってまた頑張ろう!
と思えるのだ。
そして、機内誌を開けばこのファニーフェイス
やっぱりインド人には癒される。