タイの世界遺産 アユタヤ
今回タイに行くにあたり、行きたかった場所の一つがアユタヤ。
バンコクからも近く簡単に行くことができる。現在は歴史公園となり、世界遺産にも登録されている。
周りを川に囲まれ、水の都として1350年から417年にわたって繁栄したアユタヤ王朝であったが、隣国ビルマ(現ミャンマー)からの度重なる攻撃で衰退してしまった。
しかしその生々しい傷跡がまたアユタヤ独自の魅力となっている。
今回巡った遺跡を紹介したい。
遺跡その1.ワット・ヤイ・チャイ・モンコン
高くそびえたつ大仏塔は72m。礼拝堂まで登ることができる。
仏塔を取り囲むように並ぶ仏像は一つ一つ顔が違って面白い。
当時は鉄筋がなかったため竹を柱として使用した。そのために建物が歪んでいるのがまた味わい深い。
全体的にかなり修復されているようで、新しいものと古いものが混在していた。
遺跡その2.ワット・プラ・シー・サンペット
アユタヤで最も有名な遺跡。
仏塔の先端が尖っていて、釣鐘のような形はスリランカ様式。
周りには何もなく、のどかな景色と破壊された遺跡の調和が美しい。
遺跡その3.ワット・プラ・マハタート
菩提樹の木に覆われている仏頭が有名。
当時の人々の信仰の中心だったため、他の寺院より激しい攻撃を受けたそう。至るとこにある腕や頭のない仏像の姿が痛々しくも神秘的な雰囲気を醸し出している。
夜間のライトアップも良さそうなのだが、電気工事の修復工事のため、一部が中止されているそうだ。詳しくは下記HP参照
アユタヤ歴史公園の一部、ライトアップ一時中止のお知らせ | 【公式】タイ国政府観光庁
実はアユタヤは今回約10年ぶり2度目の訪問。来るたびに違う視点で見ることができるので遺跡巡りは面白い。
ちなみに今回、私はJTBのバスツアーを利用した。
上記3か所に加え、エレファントライドも含め半日のコースで、1人1400バーツ(約4200円)。個人で手配した方が安く抑えられるが、効率や快適性を重視すると十分価値があったと思う。
JTBはプロンポン駅直結のエムクオーティエ4階にあるので、買い物のついでに便利。
さて、今日もタイを引きずってしまったが、そろそろ現実に戻らねば。明日からまた、インドと向き合っていこうと思う。
タイの思い出を今日も引きずる
バンコクという麻薬(昨日の記事参照)の禁断症状が収まらない私は、今日もバンコクのことで頭がいっぱい。
インドに戻り、何をするにしてもバンコクでの楽しい時間を思い出してしまう…
例えば食料品の買い物に出かけると、
インドではまず汚れた買い物かごを持ち、ハエや虫をよけながら泥が付いた野菜の中から極力傷んでいないものを選び出す。
パッケージに入っている商品は、室内であっても埃と砂まみれで、箱や袋の破損は当たり前。製造年月日に目を凝らし、匂いまでチェックしてからかごに入れる。
そして帰って来て手を洗うと、石鹸の泡が真っ黒…という日常。
それがバンコクではどうだろう。
まぁ、置いてある品物がきれいなこと!!
主要デパートに入っているグルメマーケットというスーパーは、高級スーパーのせいか、びっくりする程多くの日本食が売られている。
納豆、こんにゃく、魚河岸揚げ、おでんの具、魚、牛肉、ポークソーセージ…
目についたものを片っ端からかごに入れる。
これも欲しい、これも買っちゃえ!
このチョコはインドにも売ってるけど、一回溶けてまた固まったやつに当たる可能性が高いからこれも買っちゃえ!
ワッショイ!ワッショイ!あぁ、これが買出しかーーー!!
日本にいた爆買い中国人の気持ちが今ならよくわかる。
だって、国に帰るともう買えないんだもの!
本国にこんな良いもの売ってないんだものーーー!!
それからバンコクは空気がキレイ。
湿気があると呼吸が楽だし、風も心地良い。
こんなに澄んだ空を見たのは久しぶりだ。
以前にも紹介した空気の測定アプリ、エアビジュアルでも見てみよう。
バンコクは… 良い!!そうだね、坊やもご機嫌だ。
じゃぁ念のため、インドのグルガオンはどうだろう?
うん、見なかったことに…。
改めて考えると、インドの人たちはよくやっている。
45℃を超す灼熱地獄に、雨季と乾季、砂嵐に大気汚染といった超過酷な環境。
この中で発展しろと言われてもそれは大変なことだと思うのだ。
そうそう、インドだっていいところはいっぱいある。
バンコクの電車の中は日本と同じように皆が下を向いて携帯電話ばかり見ていた。
インドだと、携帯に縛られない自由がある。
今でも車から外を見ると、人に車に動物に、現実世界が面白すぎて携帯を見る気になれないのだ。
ありがとう、バンコク。あたなのことは好きだけど、やっぱり私、インドとやってくわ。
それにしても、今回買出し先をシンガポールにしなくてよかった。
将軍様と鉢合わせしようものなら、私のスーツケースに詰められた品物はことごとく空港で没収されていたかもしれない…
タイに来て愕然とする。
インドでは日本食材の調達が難しいため、インドで暮らす日本人の多くは近隣諸国へ買出しに行く。中でもタイのバンコクはデリーから4時間弱で行けるうえ、物価も安いことから一番人気の買出しスポットとなっている。
私もこちらに来て約5か月、ついに買出しというものを体験してきた。
そして今、私は完全に打ちひしがれている…
タイがこれほどまでに豊かな国だったとは…
周りの人々が買出しに行くと聞いても、正直あまり興味はなかった。
バンコクって言っても、インドより多少日本のものが多くあるだけでしょ?
くらいに甘く見ていた私がバカだった。
ここは(ほぼ)日本だ!!
恐るべしバンコク… 日本企業の進出具合において、インドとの圧倒的なレベルの差を見せつけられた。
まずは、街中に溢れる日本語。
見渡すと日本製品のポスターが至るところに貼られ、電車の動画広告にも黒木メイサや中条あやみ。
街を歩けば、セブンイレブン、ファミマにローソンと100mごとにコンビニに当たる。
中に入ると念願のガリガリ君が!冷蔵棚に並んだ商品数にも圧倒される。
その様子を目の当たりにして、コンビニというものは、電気が安定供給されていないと成り立たないんだとつくづくわかった。確かにインドでは難しい…。
そして日本人御用達のフジスーパーでさらに驚く。
多少の異国感はありつつも、日本のスーパーと変わらない圧巻の品ぞろえ。フライやサラダのような出来合いのお惣菜までもが売られているではないか。
お惣菜は夜になると値引きされ、サラリーマン達がそれを目当てに群がっている。
もうこれ完全に日本だ!!
日本のレストランの充実ぶりにも涙。
どうしてこの国はこんなに日本企業で溢れているのだろう。
何を食べようか迷いに迷ったあげく、「まい泉」で黒豚ロースかつを食べる。
こんなに美味しいとんかつは食べたことがない(涙) たしか450バーツくらい(約1350円)
更には、食品売り場で見つけた「源 吉兆庵」の大判焼き。
餡がずっしりで40バーツ(約120円)。おそらくタイ限定販売であろうココナッツとタロイモの餡入りのものも美味であった。
どちらもプロンポン駅直結の、エムクオーティエにある。
プロンポン駅周辺は、都会的で高級感があり、もはや日本以上に勢いがある感じがした。
あぁ、バンコクは麻薬だ…
いるときは最高に気分良くさせてくれる。
そして現実に戻るとあの感覚を求めて、すぐにでもまたバンコクに行きたくなる。
そんな危険な街である。
最高にフォトジェニックな空間 ジャンタルマンタル
ジャイプールに行ったらぜひお勧めしたい場所がある。
ジャンタルマンタル 天文観測所
こちらは、18世紀前半に北インドを治めていたマハラジャが、天文学が好きすぎてついには自分の居城のすぐ横に天文観測所を作らせたというもの。
大きいほど正確なデータを取ることができると信じていたそうで、16基ある観測儀はどれも巨大。実際かなりの精度で、現代でもその一部が使われているという。
そしてなによりここは、あのイサム ノグチがインスピレーションを受けた場所。
モエレ沼公園のブラック・スライド・マントラもここの影響を受けて制作されたと言われている。
確かに広大な敷地に並ぶ観測儀は何ともアートを感じさせる。
どうしてこのような形にしたのだろう。必要なものを集めたらこの形になったのかもしれないが、デザインセンスが良すぎる!現在の測定器を集めただけではこんなアートな空間は作れないはず。
それぞれが12の星座を向いた観測儀には、星座のイラストが描かれている。
左が双子座で右がかに座。ゆるい絵がかわいい。
当時の人々はこれを使って、暦を作ったり、収穫時期を予想したり、占星術に役立てたりしていたそう。
ジャンタルマンタルは、当時ジャイプールの他デリーなど計5か所に作られたが、このジャイプールのものが最も大きく、観測儀の数も多い。(現在見られるのは、1901年に修復されたもの。)
ピンクシティとしてインドでも有数の観光地であるジャイプール。中心部の風の宮殿やシティ・パレスのすぐ隣にあり行きやすい。ガイドを付けると観測方法などがわかってより面白いかもしれない。
ただ、意味など分からなくても現代アートを見ているようで最高に楽しい空間。写真を撮るのにもお勧めだ。
飲むなキケン!?インドでまずかったもの
私はインド料理が好きだ。
辛い物もスパイスも基本的に美味しいと感じる方なので、インドに来てからもインド料理を食べてまずいと思ったことなない。
しかしそんな私でも思わず顔をしかめてしまうものがある…
それは、マサラレモネード
レモネードと言えば、さわやかなレモンの香りに弾ける炭酸、甘くてすっきりとした喉越しが夏の暑さも吹き飛ばしてくれるもの。
であるはずなのに、マサラが入るとそれはもうびっくりする位、別の飲み物と化す。
まずこの濁った液体。ビールのように泡が浮いているが、そんなクリーミーな泡ではない。半固形というか、硬くて潰れない泡なのだ。テカテカと光った泡をよく見ると黒い粒が浮いている…
出てきた瞬間、その光景に一瞬たじろぐ。アオガエルが産卵するときの泡を思い出す…
嫌な予感は的中。
これは不味い!!
例えて言うなら、少し焦げた目玉焼きを水で薄めて飲んでいるような感じ?
生臭くてしょっぱい。後味すっきりどころか、ストローで吸った瞬間から来るぞ、来るぞ、ぎょぇぇ… 喉の奥に感じられる負の存在感が半端ないのだ。
このグラスにへばり付いた泡とマサラの残骸が全てを物語っているかのようだ…
インド人はこれが美味しいと思っているのだろうか?周りを見渡したが、これを頼んでいる人はいなかった。
マサラと付けば美味しいのはカレーやチャイまで!ジュースには手を出さない方が賢明だと学んだ。
それから、もう1つ注意が必要なものがラムチョップ。
なぜかインドの料理屋で頼むラムチョップは、骨が9割。食べるところが極端に少ないのだ。日本で食べていたラムチョップがいかに美味しかったかわかる。カレーに入っているラムも脂分が少なめでパサパサしているし、もちろん骨だらけ。
今まで何度かトライしたが、結局チキンに落ち着いている。
最後に、インドはパンが残念。
ぼそぼそで、味がしない。スーパーで売られている市販品はもちろん、街中のカフェでもサンドイッチを頼むとがっかり、ハンバーガーもパンのせいで美味しさ半減なのである。
インドには美味しいやナンやチャパティがあるから、普通のパンには力を入れてないのかもしれない。
ただし、日本人が経営しているパン屋さんIrohaは美味しいので、私もそのお世話になっている。
改めて考えると、日本人ってパンが好きなんだなぁと思った。パンもまた、日本で独自の進化を遂げガラパゴス化している。
あぁ、日本のカレーパンが食べたいと思う今日この頃。
ついに我が家にヤモリさま現る
インドではヤモリが多いと聞いていたが、ついに我が家にも現れた。
まだ身長5cm程度だから赤ちゃんヤモリなのだと思う。
よく見ると目がちょこんとしていてかわいらしい。
縁起の良い生き物だし、そもそも害虫を食べてくれるというから、追い払わずに同居することにした。
どうかあまり大きくならないでおくれ。そしてどうか私が寝ている間に天井からおっこちてこないでおくれ。どうかお風呂には出ないでおくれ。どうか私の一人の時は動かず、主人がいるときだけ動いておくれ。どうか…
注文が多すぎて、ヤモリも出ていきそうである。
実はインドはイタリアンとあの国の料理が美味しい
いくらインドといえど、カレーばかり食べているわけでは無い。
都市部ではファーストフードはもちろん、和食、中華、韓国、フレンチ、イタリアン、メキシカン、タイ、中東系等各国の料理が楽しめる。
そんな中、私が特に美味しいと思うのはイタリアン。
インド料理とイタリアンは遠いようで、どことなく似ていると気が付いた。
例えば、イタリアンと言えばハーブが重要なカギを握る。イタリアン人がハーブを駆使することで素材をうまく引き立たせるとしたら、スパイス使いが得意なインド人も負けてはいない。ハーブだってうまく使いこなしてしまうのだ。
また、先日の記事にも書いたが酪農大国のインドでは乳製品が美味しいので、チーズを使った料理でも本領を発揮。
それから、トマト。インド料理を作るうえで、トマトは欠かせない。殆どのカレーはトマトと玉ねぎがベースになっている。これもイタリア料理に通じるところだ。
そして、その色使い。極彩色を操るインド人は色彩感覚に優れ、料理においてもその才能を発揮している。
こうした本格イタリアンがインドでも食べられるとは思わなかった!
ただ、インドのレストランは全体的に日本に比べて塩辛い。そしてデザートは極端に甘い。(そこは本場イタリアも一緒?)なので当たり外れがあることも否定はできないが、それでも、ハーブ、チーズ、トマト、色彩、どれをとってもインドが得意とするところなので、概ね高いレベルのイタリアンを楽しむことができる。
ちなみに、私が一番好きなイタリアンはグルガオンにある
The pasta bowl company パスタボウルカンパニー
ここはデザートも含め外れがない。六本木や中目黒で食べたらこの倍はするという味。
私は、インドに到着後3日目にここに来たのだが、あまりの美味しさに感動。ここがあれば間違いなくインドで生きていけると確信した。
それから、もう一つインドと相性の良い料理がある。
それはメキシカン。
トマト、チリ、玉ねぎ、ビーンズ等はこちらでもフレッシュなものが手に入るので、ちょっとスパイスを変えるだけで美味しいメキシカンに変身する。
そもそも、トマトもチリも南米からインドに伝わってきたもの。
主食のチャパティはトルティーヤにそっくり。とうもろこしの粉か、小麦の粉かその違いだけ。
メキシカンもインド人の得意の要素がぎっしり詰まっているため、日本で食べるより安くて美味しいものが食べられる。
ただ、宗教の関係でベジタリアンが多いせいか、インド人は食に対して割と保守的。
値段の高さも手伝って、まだまだ一部の人しかこうした海外の料理を食べていないようである。
今後益々経済成長していく中で、食文化もどう変わっていくか楽しみである。