チェティナード料理に舌鼓 @バンガラ The Bangala
インド人はもちろん、世界のグルメたちが注目するインド料理がある。
それが南インド・タミルナード州にあるチェティナード地方の料理。
私にとってのカレーの王子様 東京カリー番長 水野仁輔さんも「カレー界の新ヒーロー」として紹介している。
チェティナード料理は、何か特定のカレーを指して言うのではなく、その地方に伝わる料理全般を指す。
新鮮な野菜や果物はもちろん、チキンやマトン(といってもヤギ)、インドでは珍しい蟹、さらには他国のスパイスも用い、大変豊かな食文化であることがわかる。
中でもチェティナード料理の人気を牽引しているのがこちらのホテル。
The Bangala バンガラ
マドゥライから車で2時間程のカーライックディという小さな町にある。
田舎町といった印象を受けるが、ここはかつてスリランカや東南アジアをまたにかけ、銀行業や貿易などで巨大な富を築いたチェッティヤールという商人カーストの本拠地で、第2次世界大戦頃までは非常に栄えていた。
このバンガラも、その一族の邸宅の一つを改装して作られたホテルだ。
チェティナード料理はインド人にも有名で、食べに行くと言うと「辛いから気を付けて!」と皆に言われた。確かにマドゥライの空港で食べたサンドイッチはヒーヒーする程辛かった。
しかし、バンガラの食事は驚くほどマイルド。
貿易相手国であったアジアの影響も受けているようで、日本人の舌にもよくなじむ。
朝昼晩、計5回ここで食べたが、メニューは毎回異なるし、味付けもバリエーションに富んでいて全く飽きさせない。
↑ランチのミールス。バナナの葉っぱがお皿代わり。
スパイスを控えめにして、素材の味をものすごく上手く引き出している。
一つ一つ異なる味付けでありながら、全体は不思議と統一感があり、一口食べるごとに感動が止まらない。そしてお代わりも止まらない。
うーん、美味しすぎる… 何度目をつむったことだろう。
つい先日まで弱り果てて病院に行くほどだった私の胃腸も、なんとここの料理を食べている間に完治した。
元はこの家の住人が毎日食べる料理だから、身体にも気遣って調理されているに違いない。
そう、ここの料理は母の愛と言うか、料理人の愛が感じられるのだ。
そしてこのホテル、 館内は管理が行き届いておりとてもきれい。
中でもキッチンはインドとは思えない程、清潔で美しく整頓されていたのが印象的だった。
スタッフも感じが良く、皆よく働いている。
この家の末裔であるオーナー女性の辣腕ぶりがうかがえる。
コンデナストトラベラーのレストランランキング2018では、インドの28位にランクインしていたが、私にとっては今まで食べたインド料理の中で断トツ1位。
これほど美味しいインド料理を食べたことはない。なかなか行きづらい場所であるは、絶対にまた訪れたいと思っている。
またこのホテルでは料理教室が開かれており、そちらは観光バスで人が押し寄せる程人気なのだとか。次回はトライしてみたい。
さて、行ってみるとこの街の魅力は料理だけではなかった。
次の記事では周辺の観光もご紹介したい。