料理だけじゃない!The Bangala バンガラ周辺街歩き
前回の続き。
とにかくThe Bangalaで美味しいインド料理が食べたいという一点だけでやってきたカーライックディーという町。
それ以外のことは特に調べていなかったので、ホテルが提案する半日観光ツアーを利用することにした。
まずは、The Bangalaの大女将(?)が今も住んでいるというM.S.M.M Houseへ。
貿易で財を成し、この町に電気や水を引いたり、女学校を設立したという名家だ。
イタリアの大理石にミャンマーの木材、日本のタイル等世界から集めた美しいものが、主張し合うことなく見事に調和して、上品で重厚な空間を作り上げていた。大理石のひんやりとした床や、背筋がしゃんとするようなきりっとした雰囲気に暑さも忘れてしまう。
続いていくつかのお宅を見学したが、いずれもヒンズーとヨーロッパとアジアが上手くミックスされているし、更にはその家の主人の好みも反映されており、一軒ごとに似て非なる造りが面白かった。
これらの美しい家はインド映画のロケに使われることも多いという。
ただ、古い豪邸を維持するのはかなり大変なようで、多くの家が管理されずに放置されている。
今回のガイドさんの実家もこの一角にあったが、現在は高齢の伯母様が1人で住んでいるのみで、他の家族は新しい家や、別の街に引っ越してしまったそう。結局新しい家の方がメンテナンスも容易で住みやすいとのこと。
そんなガイドさんが自宅でお茶をご馳走してくれた。
「単身赴任中で、男一人暮らしのむさくるしいところだけど…」と言っていたが、私たち旅行者には、こういう普通の暮らしに触れられるのが一番嬉しい。
コーヒーを入れる男。たまたま構図がフェルメール風?
その他、タイル工場や、女性たちが働くお菓子工場、何気ないお寺なども良い味を出していた。
約3時間のツアーを終え、ホテルに戻り一休み。
あの美味しすぎる昼食をはさんで、夕方からは自分たちで近所を歩いて回ることにした。
町の中心部まではThe Bangalaから歩いて10分程度。
思った以上に活気がある。
その中の一角にある、アンティークショップストリートが特に面白い。
お屋敷からでてきたお宝がザクザク。
貿易が盛んだった頃の名残で、国内はもちろん外国の食器から家具、オブジェ、建具に至るまで色々なものがある。好きな人なら何時間でもいられそう。
それにしても、この町の人々の屈託のない笑顔には本当に癒された。
北インドではお目にかかれない抜けるような真っ青な空と相まって、すっかりこの町の虜になってしまった。
が、歩き回って最後に犬のフンを踏んでいたことに気づく…。
きれいに旅を終わらせてくれないところがやっぱりインドだった。