うそみたいにクジャクがその辺にいる件
私がインドに来て驚いたことは数知れず…
中でも感動に値するのが、孔雀が普通にいるということだ。
孔雀はインドのシンボル、国鳥とされている。
日本ではトキが国鳥にあたるのだが、日常生活でトキにお目にかかることはまずないだろう。
なので、インドでもどこか山奥に行って気合いを入れて探しに行かないと見つけられない鳥だと思っていたら、案外どこにでもいるのである。
私が初めて見たときは、グルガオンから2時間程離れた村の畑だった。
青や緑のグラデーションがなんと美しいことだろう…イケメン過ぎる。
インドクジャクのオスは羽も入れると全長230㎝にもなり、飛ぶ鳥の中でも最も大きな部類に入るため、離れたところからも良く目立つ。
最近は、農薬のせいで孔雀の数も減ってきているというのが心配だが、それでも村の畑にはよく出没するそうだ。
そして、どうやら都市部であるグルガオンにも結構いるようで、マンション付近の建物の屋根にいつもとまっているとか、空き地で求愛ダンスをしているらしいという情報も聞く。
とくにジャイプールのあたりは多く、アンベール城付近などでもそこかしこで目にすることができる。
あるインド人から、孔雀にまつわる言い伝えを聞いた。
インドでは、孔雀の唯一の欠点は足だと言われている。
そして鳥の中で一番美しい足を持っているのは鳩だと。
その昔、もともとは孔雀が鳩の足で、鳩が孔雀の足だったそうだ。
しかし、あるとき鳩がこうお願いする。
これから好きな子に会いに行くのに
こんな見た目じゃ恥ずかしくて会いにいけない。
孔雀さん、あなたはとっても美しい。
どうか足だけでも交換してくれませんか?
気の毒に思った孔雀は足を交換してあげた。
しかし恋人に足を褒められた鳩はすっかり有頂天で、そのまま足を自分のものにしてしまう。
かわいそうな孔雀は、醜い足のままその後を過ごすことになったそうな。
おしまい。
ひ、ひどい話だ(涙)
鳩よ、返してやれー!と思うが、悪者にされた鳩もちょっとかわいそう…
確かに、足だけ飾り気がない気が…
それでもこの気品溢れる佇まいは只者じゃない。
ヒンズー教では、ガネーシャの弟であるスカンダという神様の乗り物とされている。
ちなみに、孔雀の羽を使った工芸品が売られているが、
ワシントン条約で日本への持ち込みが禁止されているようなのでご注意を!