ちびまる子ちゃんと私と家族
拝啓 さくら ももこ先生
私が初めて買った漫画はちびまる子ちゃんでした。
小学校低学年の時。当時まるちゃんは大人気で、単行本は売り切れ続出。
父と一緒に何軒も書店を回って、ようやく第4巻を手に入れました。
店員さんに、
さくら ももこ先生のちびまる子ちゃんはありますか?
この言葉をドキドキしながら聞いて回ったことを今でも思い出します。
父からは、いちいち「先生」をつけなくてもいいのにと笑われましたが、私は恐れ多くて、さくら ももこと呼び捨てにすることはできませんでした。
母はテレカ等、ちびまる子ちゃんのグッズが手に入るといつも私にくれました。
私が実家を離れ一人暮らしを始めたときも、まるちゃんの絵葉書でよく手紙をくれました。
弟は、さくら先生のエッセイで「姉は親に全く遠慮しない」という話を読み、「これ、ねーちゃんと一緒だ」と言っていました。
そんな弟に娘が生まれると、父はもうその子にメロメロで、その風貌もあいまって「友蔵」みたいだと笑いました。
昨年は久しぶりに家族で集まり、静岡に旅行に行きました。
いい歳した大人だけでちびまる子ちゃんランドに行き、スタンプラリーの景品でもらったシール。やっぱり母は私にくれました。
今回さくら先生の訃報を真っ先に連絡してくれたのは母と弟でした。
あまりの突然のことに言葉も見つかりません。
私の家族の思い出は、気付けばちびまる子ちゃんと共にありました。
たくさんの思い出をありがとうございます。
心よりご冥福をお祈りいたします。