こんなところでインドとの絆を発見 @上野動物園
帰国中に偶然立ち寄った上野動物園で、思いがけず日本とインドとの絆を再発見した。
アジアゾウである。
現在上野動物園には4頭の象がおり、うち3頭はインドから贈られたものである。
戦時中、猛獣処分命令が下され、上野動物園にいたライオン、虎とともに、象もやむなく殺されてしまった。
戦争が終わると、もう一度象が見たいという子供たちの願いがこもった手紙と1500枚の図画がネルー首相に届けられ、ついに1頭の象がインドから贈られることになったのである。
その象はネルー首相によって娘の名と同じ、インディラと名付けられた。
インディラの来園は、平和の象徴として大きな話題を呼んだ。それはもうパンダ以上の盛り上がりだったというから、焼け野が原で何もない戦後の日本に与えてくれた希望は測り知れないものであっただろう。
ネルー首相・インディラ氏 インディラ(象)と対面
(写真は台東区文化ガイドブックより引用)
象のインディラが1983年に49歳で亡くなった翌年には、ネルー首相の後を継いで首相となったインディラ氏からダヤーとアーシャ(ヒンズー語でそれぞれ「慈悲」と「希望」の意)が贈られ、その後も2001年にはスーリアが贈られた。日印協会の資料によると、スーリアとはヒンズーの太陽神で「日出る国・日本」を念頭に考えられたというから、インドの方々の心からの善意が感じられる。
この3頭は今も上野動物園で日印友好の大使として活躍中だ。
象舎の脇に、「日印親善の使節、インドゾウ」というパネルや、ネルー首相からのメッセージを刻んだ銅板があり、今回改めてインドの絆を再確認することができた。インドに住まなければここまで気にしなかったかもしれない。
食い入るように銅板を見つめる私たち夫婦。
やっぱインドっていい国だーーー(涙)
ちなみに、シャンシャンに会えたのはやっぱりうれしかった。
動物が果たす外交の役割は大きいと実感。